Impression

インプレッション

2014, Type metal, lead 2.4 x 10.8 x 0.4 cm

Avec le soutien du : Musée d'Imrpimerie de Nantes  

 

印刷工のたくさんいる街、というのは人々の知が多く集まる地でもある。フランスの場合そんな都市の一つが、北西部の港町ナントである。主にアフリカとの奴隷貿易や南米からのバナナの輸入で栄えたこの街には情報もたくさん集まるため、書籍や新聞の発行も盛んであった。木版にはじまり、鉛活字の活版印 刷、銅版画、リトグラフなどその時々の印刷の機械や道具が市の印刷博物館に 収められていた。その中で「最新」のものはタイプライターに入力した文字列 がそのまま活字のかたまりとしてでてくる、鋳金装置と一体型の「リノタイプ」という機械だった。出てきた活字の文字列はそのまま印刷に利用できたので、 スピードが重視される日刊紙などに重宝されたのだ。印刷を意味する「インプ レッション」という語には「印象」という意味もあるらしかった。ここでは頭 に浮かんだ語がまたたくまに、揺るぎない金属として具現化するのだ。その印象をわたしは物質化して持ち帰ることにした。「インプレッション」。そう入力して出てきた金属のかたまりは燃えるように熱かった。