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Creation of Mikako Uchida

内田光画子の創造

2009年 東京芸術大学大学院修了制作

協力:田村写真、グザヴィエ・マルテル(写真史家)

 

|あらすじ|

内田光画子は、明治初期の横浜で日本で最も最初の写真師の一人・内田九一の私生児として生まれた。人生の大半を暗室で過ごした彼女は、あるフランス人将校の写真に恋したことをきっかけに、カメラを用いずに暗室の中で自らの像を印画紙に定着する方法を編み出した。将校に贈られた写真は、帰国に際してフランスに持ち帰られた。「フォトグラム」として知られるこの技法は、シュルレアリストたちによって多用されたものであるが、内田の写真による影響を指摘する研究もある。

 

|実現方法|

明治初期の横浜で外国人の土産物として流行した名刺大の鶏卵紙写真について横浜の開講資料館で資料を調べ、東京都写真美術館で作り方を調べた。また、作り方については鶏卵紙写真の作り方に詳しい田村氏や写真史家のマルテル氏にアドバイスを受けた。写真史に架空の人物をつくりだす試みであるが、内田九一は実在の写真師であり鶏卵紙写真も実際の技術をできるだけ忠実に再現するなど現実と架空のものが混在する作品とした。

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